2011.1.07 News / その他 /

山岳遭難急増、年間100件 昨年、登山人気にキノコ豊作… 県警「軽装、単独やめて」

 山梨県内で山岳遭難事故が急増している。県警によると、昨年1年間の発生件数は100件に上り、統計を取り始めた1965年以降で最も多くなった。死者・行方不明者は23人で、30年ぶりに20人を突破した。夏までは前年と同じ水準だったが、秋以降、キノコ採りなどで入山、遭難するケースが相次いだ。登山計画書を提出しないで単独で登る事例が多いという。今年に入っても遭難は相次ぎ、県警は登山口などでの指導を強化している。

 県警地域課によると、昨年1年間の山岳遭難は、前年より33件(49.3%)増加。山岳別では、南アルプス山系が最も多い40件で、八ケ岳・秩父山系の30件、富士山の11件などが続いた。

 月別でみると、1~8月は前年同期より1件多い55件だったが、9月以降の4カ月で45件と一気に増えた。登山ブームに加え、昨年はキノコが豊作となったことや天候に恵まれたことなどから、軽装で登山に出掛ける初心者が目立った。単独登山は40件に上った。

 遭難者数は36人(48.0%)多い111人。死者・行方不明者数は23人(前年比5人増)で、負傷者数は55人(同16人増)、残る33人にけがはなかった。

 年代別でみた遭難者は、60代が3割以上に当たる36人で最も多かった。次いで50代が20人、40代が15人など。遭難原因は、登山道や岩場での転落や滑落が42人、道に迷ったのが21人、転倒が15人、発病が9人などだった。

 県警は、登山口などでの指導所開設、シーズンごとに作成する冊子を通じ、単独登山を控え、登山計画書を提出するよう呼び掛けている。同課は「登山計画を立てることは、日程に余裕のある登山、装備品の確認につながる。万一、遭難した際の捜索の手掛かりにもなるので提出してほしい」としている。登山計画書は県警のホームページなどで受け付けている。

 【写真】県警が各地で設けている遭難防止に向けた指導所の写真と、10年間の遭難件数と死者・行方不明者の推移のグラフ

 (2011年1月7日付 山梨日日新聞)

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