2010.11.11 News /

救助ヘリ出動増、公費膨らむ

 山梨県内で山岳遭難事故が増加する中、県警ヘリコプターや県防災ヘリコプターの出動要請が相次いでいる。ヘリの運航には多額の税金が使われるが、県警によると、自力で下山できるにもかかわらず救助要請するケースもあるという。

 県警地域課によると、今年の山岳遭難(4日現在)は87件、遭難者は93人(死者19人、行方不明1人、負傷者49人)で、昨年同期より件数は24件、死者は6人、負傷者は12人増加している。9月以降はキノコ狩りでの遭難者(8人)が目立っている。
 県や県警によると、10月末までのヘリの出動件数は、県防災ヘリ「あかふじ」が47件、県警ヘリ「はやて」が28件。県防災ヘリは昨年同期より8件多い。

 ヘリは110番や119番通報などで捜索、救助要請を受けて、どちらかが出動する。県警ヘリの場合、1時間当たり約500リットル(5万円以上)の燃料が必要。運航経費は税金で賄われ、本年度の当初予算ベースでは、県防災ヘリが約1.9億円、県警ヘリが約6000万円となっている。

 県警によると、遭難者の中には「動けない」などとヘリによる救助を要請したが、現場に行ってみると自力で下山できるケースもあったという。埼玉県では県防災ヘリが出動した際の費用を遭難者に請求できる条例を検討している。

(2010年11月5日付 山梨日日新聞)

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