名峰表現30点思い、足跡回顧 白簱史朗さん写真展

南アルプスを撮影した白簱史朗さんの企画展=南アルプス市立美術館

 山岳写真家として国内外で活躍した、大月市出身の白簱史朗さん(1933~2019年)の企画展「白簱史朗 日本の名峰を撮る-南アルプスを中心に-」(南アルプス市、市立美術館主催)が同館で開かれている。18年に同館に寄贈された作品のうち、南アルプスや富士山、八ケ岳の写真30点が並ぶ。担当者は「苦労を重ねて撮影した写真を通して、白簱さんの思いを感じ取ってほしい」と話している。

 南アルプスが国連教育科学文化機関(ユネスコ)のエコパークに登録されて6月で10年を迎えることに合わせて企画した。白簱さんは富士山を中心に撮影した写真家岡田紅陽に師事。独立後は南アルプスや富士山、ヒマラヤなど国内外の名峰を撮影してきた。
 展示では中白峰から撮影した北岳「北岳の朝雲-中白峰から」や、南アルプス林道から写した「紅葉に映える新雪の農鳥岳-南ア林道から」などの作品がある。隣には「思わず胴ぶるいが出るほど寒い」「赤石岳が新雪をまとった朝は比類ない」など、白簱さんが撮影時に感じたことなどを書籍から引用して紹介している。
 白簱さんが撮影時に使用していたカメラも展示。担当者は「荘厳で雄大な南アルプスと優美な富士山を見比べて、白簱さんの表現を楽しんでほしい」と話している。
 展示は7月15日まで。月曜休館(7月15日は開館)。午前9時半~午後5時(最終入館午後4時半まで)。入館料は一般320円、高校、大学生260円、小中学生160円。問い合わせは同館、電話055(282)6600。

(山梨日日新聞 2024年5月22日掲載)

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