「クモの巣」に息災祈る 伝統の阿弥陀尊祭典

祈祷する住職=南アルプス市吉田

 南アルプス市民らでつくる「西吉田阿弥陀尊保存会」(佐野一彦会長)は、同市吉田の西吉田公会堂で、阿弥陀尊祭典を開いた。地域住民らが和紙で作った「クモの巣」に見立てた飾りを取り合い、一年間の無病息災を願った。
 明治時代初期から地域に伝わる伝統行事で、一年間の健康や幸福を願う。阿弥陀堂を和紙で作り、無量の光を参加者に照らすことで御利益があるとされる。阿弥陀堂は「クモの巣」のように見えることから、「クモの巣祭り」の愛称で地域住民に親しまれている。
 3日の祭典では、太鼓に合わせて「なむあみだーぇ」などと唱えた後、参加者は「クモの巣」を取り合うことで御利益を受け取った。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020~23年は規模を縮小して開催。5年ぶりに通常開催となった。

(山梨日日新聞 2024年3月12日掲載)

月別
年別