南アのふもと 休眠宿泊施設を個人貸し出し 芦安・みどりの郷 くつさわ

 南アルプス市は11日、利用が低迷していた同市芦安芦倉の市営宿泊・研修施設「みどりの郷 くつさわ」について、来年度から個人住居として1年間貸し出す方針を明らかにした。人口約400人と過疎化による人口減が著しい芦安地区への定住促進対策の一環。南アルプスのふもとの自然豊かな地で生活体験をしてもらった後、希望すればその後の住居探しも支援する。市は貸し出しに関する条例改正案を9月定例市議会に提出する。

 市観光商工課によると、施設の貸し出しは全4棟。木造平屋で1棟当たりの延べ床面積は約420平方メートル。貸し出しは来年4月からで、年間24万円で貸し出す。1組1年間の限定契約で、入居者には近くの農地も紹介する。

 これまで施設は宿泊施設として観光客などが利用。小中学校の体験学習、研修でも活用してきたが、利用低迷などで2007年9月から休止していた。市が新たな活用策を検討していて、地域振興に向けて利用形態を見直した。

 9月市議会で関連条例案が可決されれば、現地説明会を開催し、入居者を募集していく予定。

 芦安地区の人口は9月1日現在で409人。人口減が続く中で、地区外の住民に生活体験により芦安の良さに触れてもらい、定住化を促す。1年間の体験後、市が取り組む空き家バンクなどの物件を紹介し、移住をサポートしていくという。

【写真】来年4月から1年を通じて貸し出す「みどりの郷 くつさわ」の施設=南アルプス市芦安芦倉

(2009年9月12日付 山梨日日新聞)

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