砂防ダムで水力発電 今夏着工、来春稼働へ芦安
小水力発電の導入を検討していた南アルプス市は2008年度、同市芦安芦倉の金山沢川の砂防ダムに小水力発電施設を設置する。発電した電力は芦安地区の3公共施設に供給し、使用電力のほぼすべてを賄う見込み。今夏に着工し、09年3月の稼働を目指す。
市は甲府市のNPO法人「フィールド21」と協力し、07年度に市内河川で実現性を探る調査を実施。市内5カ所の河川の流量を調べた結果、金山沢川の砂防ダムで発電施設を設置できる見通しが立った。
市政策秘書課によると、発電施設は砂防ダムの44.5メートルの落差を利用し、1時間当たり常時82キロワット、最大105キロワットを発電できる。南アルプス市芦安山岳館や芦安温泉ロッジなどに供給し、年間使用する電力約600万円分を賄う。
市は08年度一般会計当初予算案に発電施設建設費など約2億500万円を計上。約9900万円は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの補助金を充てる見通し。
06年度策定の市地域新エネルギービジョンでは、14年度までに市の消費エネルギーの3%を水力や太陽光などの新エネルギーに転換することを目標にしている。
市は08年度も河川の流量調査を継続し、別の河川への小水力発電施設の設置を検討していく。
(2008年2月26日付 山梨日日新聞)