芦安の輪カンジキ
厳冬期の登山ではアイゼン・ピッケル・スノーシューが必需品です。その昔、芦安では輪カンジキを作り輸出していました。
「欧州のアルプスへ 芦安の輪カンジキ
古くから中巨摩郡芦安村(南アルプス市)に作り伝えられていた冬山用の輪カンジキが、イタリア山岳会の若い登山家のお目がねにかない「ぜひ欧州のアルプスにも普及したい」ということで海を渡ることになった。日本だけにしかない古風な冬山道具が登山では大先輩のイタリア・アルプスで使われるとは―と地元ではさっそく入念な製作準備をはじめた。」(山梨日日新聞 昭和36年(1961年)4月24日7面より)
輪カンジキをイタリアに紹介しようとした青年は1960年にローマ大学から東京の地質調査所へ地震の研究で留学したダリオ・モンタナさん(当時25)。韮崎高校教諭で県岳連常任理事をしていた富沢盤さん(当時33)をはじめ教育大山岳部OBの一行と北アルプスの五竜岳に登ったさい、富沢さんらが使っていた輪カンジキを見て「こんな重宝なものとは知らなかった」と驚き、芦安村で作られていることを聞いて注文をした。
芦安村の輪カンジキは昔から冬の猟などのために作られていました。とくに乾燥の度合や粘り強さが他の雪国のものより優れているのが特徴です。
当時、製作を依頼された芦安村大曽利の青木義源さんは「代々伝えられたものが本物のアルプスの雪を踏むのは光栄だ」と言っていたようです。
ヒノキで作られた輪カンジキ 履いてみたいと思いませんか。