2007.11.19 News /

安全登山願い蔓払い 南ア・広河原で開山祭

 南アルプス市芦安芦倉の広河原で27日、開山祭が開かれ、北岳など3千メートル級の山々が連なる南アルプスの登山シーズンが幕開けした。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保存地域「エコパーク」に登録されてから2回目の夏山シーズンで、多くの登山者らが訪れた。

 関係者ら約200人が出席。金丸一元市長が「エコパークの自然と人間の共生という理念を、多くの人に周知していかなければならない」とあいさつした。

 登山者の安全を祈って行う「蔓(つる)払い」の儀式では、花輪進市議が山の案内役に扮(ふん)し、組み上げた藤やヤマブドウの蔓約70本を切り開いた。芦安中の生徒が「北岳の歌」「雪山賛歌」を合唱、登山者らに手打ちそばが振る舞われた。

 一方、南アルプス署は野呂川広河原インフォメーションセンター内に広河原臨時警備派出所を開設。8月下旬までの週末、署員2人が常駐し、登山計画書の提出を呼び掛ける。

 1泊2日で北岳に向かうという東京都八王子市の会社員高安博喜さん(55)は「エコパークという言葉も南アルプスの登録も、知らなかった。世界に誇れる南アルプスの自然を、もっと周知していってほしい」と話していた。

 【写真】組み上げた蔓をおので切り開く「蔓払い」=南アルプス市芦安芦倉

 (山梨日日新聞 2015年6月28日付)

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