2020.1.24 News /

山岳遭難最多165件

昨年県内、60歳以上が半数

 山梨県内の2019年の山岳遭難事故は165件(前年比20件増)発生し、遭難者数は185人(同10人増)で、いずれも統計が残る1965年以降、最多だったことが23日、県警のまとめで分かった。

 県警地域課によると、これまで最多だった17年と比べ、遭難件数は4件、遭難者数は5人増えた。死者は30人(前年比5人増)、負傷者は83人(16人増)、行方不明者は1人(3人減)だった。

 事故の状態は転倒が44件で最多。次いで滑落が43件、道迷いが36件、発病・疲労が19件など。山系別では南アルプス山系が68件と最も多く、八ケ岳・秩父山系が44件、大菩薩・道志山系が35件、富士・御坂山系が18件だった。遭難者は60歳以上が85人と全体の半数近くを占め、50代、40代が続いた。遭難者の居住地は県外が161人で全体の9割近くに上った。

 同課は登山者の増加が事故数の増加につながったとみている。体力や登山技術に見合わない山に登った遭難者も多かったといい、県警は登山者への指導を強化する方針。

 県警の原幸太郎本部長は23日の会見で「高齢化が進むと登山者の年齢も上がり、事故数、死者数が増加する可能性がある。歯止めを掛けなければいけない」と述べた。

(山梨日日新聞 2020年1月24日掲載)

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