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南アルプスの北岳(3,193メートル)にある三等三角点「白根岳」が8日、102年ぶりに新しくなった。国土地理院の改埋計画に地元NPO芦安ファンクラブが協力、新しい盤石と三角点を設置し、コンクリートで固めた。登山者は早速、新しい三角点前で記念撮影していた。 改埋作業は7日から3日間行い、国土地理院や南アルプス市職員、同クラブ会員ら約20人が参加した。8日は山頂から標高差200メートルほどの場所にヘリコプターで荷揚げしておいた盤石(25キロ)、三角点の標石(60キロ)などを人力で山頂まで背負い上げた。 山頂では1904(明治37)年7月7日に設置された三角点と盤石を撤去。40センチほど掘り下げて新しい盤石と標石を設置した。改埋について解説したプレートも埋め込んだ。この後、同院職員がGPSを使って精密測量をして作業を終了した。古い標石と盤石は南アルプス市芦安山岳館に展示する。 「地元がシンボルとしている山の倒れそうな三角点を新しくできないか、という皆さんの熱意で改埋が実現した。全国で初めての例ではないか」と同院の針間栄一朗さん。 ボランティアで作業をした同クラブの清水准一事務局長は「国土地理院の配慮と、事業の意義を理解してくれた会員の協力で新たなシンボルができた」と満足そうだった。 【写真】山頂の新しい三角点標柱をコンクリートで固める作業参加者ら=南アルプス北岳 (2006年7月11日付 山梨日日新聞)