2015.7.30 News / 芦安山岳館 /

【南アルプス臨時支局】<南ア一期一会>日本百名山踏破、春原聡博さん

半世紀後、絶景に出合う

日本百名山をすべて登頂し、2度目の北岳登頂を目指す春原聡博さん=南アルプス・広河原付近

日本百名山をすべて登頂し、2度目の北岳登頂を目指す春原聡博さん=南アルプス・広河原付近

日本百名山すべてに登頂した東京都渋谷区の春原聡博さん(69)は、登頂時に天候が悪く眺望を拝めなかった山頂を目指し、再挑戦を続けている。学生時代に踏破した北岳は21、22の両日に再登頂。半世紀の後に念願の絶景を楽しんだ。春原さんは「想像していた通りの素晴らしい景色だった」と充実した表情で話した。

春原さんが登山を始めたのは、大学のハイキングクラブに所属したのがきっかけ。丹沢山(神奈川)を皮切りに毎年、各地の山を登るようになった。会社を退職後、50以上の百名山を踏破していることに気付き、全てに登るとの目標を立て、全国を巡った。

百名山には険しい山も多く、約5年前には断念も考えたが、踏破した知人から「全てを登ってこそ見えてくる世界がある」と言われて再開。昨年8月に北アルプスの水晶岳(富山県)に登り、百名山を制した。

百名山の中でも印象に残っているのが南アルプスの聖岳。延々と続く林道にその懐の深さを感じたという。「南アルプスは北アルプスに比べると地味かもしれないが、自然が豊かで静かに登山を楽しめる山がたくさんある」と評する。

春原さんは21日に南アルプス市芦安芦倉の広河原から登り始め、1泊2日の行程で北岳から間ノ岳までを縦走。学生時代は、悪天候で拝めなかった山頂からの眺めを満喫した。
「百名山を全て登ったことで多くの人との出会いがあった。それが財産」と話した春原さん。これからも出会いを大切に、歩を進めていく。

2015年7月30日付 山梨日日新聞掲載

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