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古長禅寺
山梨県南アルプス市鮎沢の臨済宗の寺。境内はかつて真言宗の大寺であった西光寺の廃跡といわれ、ここに1316(正和5)年、夢窓国師が長禅寺を創建した。
山号は瑞雲山。妙心寺派。本尊は釈迦如来。天文年間、幼少時代の武田晴信が母の大井夫人に伴われて時の住持岐秀について参禅研学したといわれ、後年晴信が寺を甲府市愛宕町に創り、岐秀を迎えて准開山とし、長禅寺と称したので、鮎沢の寺は古長禅寺と呼ばれるようになった。
旧客殿の前庭の四隅に通称夢窓国師手植えの「四つ白檀」があり樹齢600年と推定され、古長禅寺のビャクシンとして国の天然記念物となっている。開山夢窓国師座像は、国師遷化後6年にあたる1357(延文2)年に造顕されたもので重要文化財。また心字の池を中心とする前庭は、国師の作庭といわれている。1924(大正13)年、火災によってがらんが焼失したが、境内は静かなたたずまいを残し、県の史跡に指定されている。
「古長禅寺 甲西」が2001(平成13)年、山梨百選に選定されている。
【写真】南アルプス市鮎沢の古寺。夢窓国師の手植え白檀や重文の座像、国師作といわれる庭園が美しい