更新日:2009年06月24日
南アルプスの高山植物 シカの食害から守れ
山梨、静岡、長野3県自治体が連絡会を設置
情報共有、広域対策探

 南アルプス国立公園や隣接地域で高山植物にシカによる食害などがみられる中、保全へ向け山梨、静岡、長野3県の自治体などは23日、「南アルプス高山植物等保全対策連絡会」を設置した。各地域での被害実態や取り組みについて意見交換し、情報を共有。高山植物の効率的、広域的な保全対策を探った上で、各機関が取り組みを推進する。

 同連絡会は3県のほか、環境省関東地方環境事務所、関係市町など18機関で構成。山梨からは南アルプス市、韮崎市、北杜市、早川町の国立公園を有する自治体が名を連ねている。

 環境省の報告などによると、同国立公園内にはキタダケソウやホテイアツモリなどの希少種を含む多数の高山植物が自生している。しかし、近年は南アルプスほぼ全域でシカの姿がみられ、食害が進行している。将来的に衰退、消滅の恐れがある植物もあるという。

 23日に南アルプス市内で開かれた第1回連絡会には各機関の担当者ら25人が出席し、被害状況や取り組み内容を報告。「センサーカメラでのシカ出現調査」(静岡市)、「シカに衛星利用測位システム(GPS)を取り付けて行動範囲を把握する調査」(山梨県)などが紹介された。

 連絡会では、保全対策に向け各機関がデータ提供し、情報を共有するシステムを構築していくことを確認。次回は本年度末に開催し、年1回程度集まりながら活動の成果などを報告する。

 南アルプス自然保護官事務所の宮沢泰子上席自然保護官は「シカの行動域は県境をまたがるため、広域的な対策が必要。情報を共有するとともに構成機関の対策の連携にも期待したい」と話している。

【写真】南アルプスの自然保護などについて意見、情報交換した対策連絡会=南アルプス市寺部

(2009年6月24日付 山梨日日新聞)