更新日:2009年06月21日
アルピニスト加藤慶信さんしのび追悼展
芦安山岳館で開幕
今も動く腕時計、遺品展示

 昨年10月に亡くなったアルピニスト加藤慶信さん=当時(32)、南アルプス市出身=をしのぶ「天空の頂をめざして−加藤慶信追悼展−」(南アルプス芦安山岳館、明治大主催、山梨日日新聞社、山梨放送、県山岳連盟共催)のオープニングセレモニーが20日、南アルプス市の同山岳館で行われた。追悼展は、今も時を刻む加藤さんの腕時計も展示し、21日から来年5月31日まで一般公開する。

 加藤さんは白根高から明治大に進学し山岳部に入部。同部OBの「炉辺会ろばたかい」に所属し、ヒマラヤのアンナプルナ1峰(8091メートル)南壁など世界に14ある8千メートル峰のうち8山を制覇した。2005年、県人として3人目となるエベレスト登頂を果たした。しかし昨年10月、中国チベット自治区にあるヒマラヤ高峰のクーラカンリで雪崩に巻き込まれ亡くなった。

 オープニングセレモニーには、同大や山岳関係者ら約100人が出席。黙とうをささげ、志半ばで亡くなった若手アルピニストの冥福を祈った。同市の今沢忠文市長や同大山岳部の飯田年穂部長があいさつ。同山岳館の塩沢久仙館長が「追悼展は見るだけでなく読む展覧会。加藤君の人間性を知り、山のすばらしさ、過酷さを感じてもらいたい」と話した。

 追悼展には加藤さんの偉業を支えた登山靴やリュックサック、生涯をたどる写真パネルなど約200点を展示。8千メートル峰の山頂で「風林火山」の手ぬぐいを掲げる写真、「甲斐魂」と書かれた登山用具の運搬ケース、元F1レーサーで登山家の片山右京さんら友人、知人からの追悼文も並ぶ。ショーケース内では、運命のクーラカンリで雪崩に遭った時に身に着けていた高度計付き腕時計が、今も時を刻み続けている。

 開館時間は午前9時〜午後5時(水曜、年末年始休館)。問い合わせは同山岳館、電話055(288)2125。

【写真】写真や愛用品が並ぶ追悼展(上)。オープニングセレモニーで加藤慶信さんに黙とうをささげる=南アルプス芦安山岳館

(2009年6月21日付 山梨日日新聞)