更新日:2009年05月04日
シカ食害で捕獲態勢強化 県、猟友会に委託
山間部重点、2900頭目標
 山梨県は本年度、ニホンジカが農作物や植物を食い荒らす食害被害が深刻化していることを踏まえ、管理捕獲を県猟友会に委託して捕獲態勢を強化する。管理捕獲頭数が毎年目標を下回る一方、シカの食害は増加。猟友会に委託することで、これまで及ばなかった山間部での捕獲に乗り出す。捕獲目標も前年比200頭増の2900頭とした。また国立公園内での食害対策として国に対し、捕獲を求めていくことにした。

 県みどり自然課によると、管理捕獲の目標値は個体数の増加傾向に歯止めをかけるのに必要な頭数として算出。しかし市町村職員が地元のハンターらに独自に依頼してきたため、「捕獲範囲が限られ、広範囲に移動するシカを捕らえきれないのが現状」(同課)という。

 一方で、シカが農産物や山林の新芽を食い荒らす被害は07年度に1億8600万円に達し、02年度に比べ約2倍に増加。07年度のシカのふんの密度調査では、32カ所中22カ所で02年度に比べて密度が上昇していて、県内の生息数は8400頭と推測されている。

 これまでシカの管理捕獲は人家や畑周辺の「里地・里山」に偏っていたため、県猟友会には標高約1000メートル以上の山間部で重点的に活動してもらう。

 また、南アルプス国立公園や秩父多摩甲斐国立公園内の高山帯でもミヤマハナシノブなどの希少種が食い荒らされていることから、管理する環境省に対策を求める。本年度は国への予算・施策要望に生息数や食害の実態調査、防護柵の設置などを要望する。

 管理捕獲は06年度から始め、同年度は目標400頭に対し227頭(56.7%)を捕獲。07年度は目標800頭に対し377頭(47.1%)、2700頭に目標を設定した08年度も1431頭(53%)にとどまり、3年連続で目標を下回っている。

(2009年5月4日付 山梨日日新聞)