更新日:2008年09月27日
環境省が来月1日自然保護官事務所を開設 
南アルプス国立公園の環境監視
シカの食害に対応
 環境省は10月1日、山梨、長野、静岡の3県にまたがる南アルプス国立公園を管理する「南アルプス自然保護官事務所」を山梨県内に開設する。シカの食害などで同国立公園内の自然破壊が進んでいることに配慮した。同国立公園の管理は、富士箱根伊豆国立公園の自然保護官が兼務していた。今回の事務所開設により、全国29すべての国立公園で専任の自然保護官が配置される。

 南アルプス自然保護官事務所は、南アルプス市芦安支所内に開設。自然保護官を配置し、南アルプス国立公園内の開発行為に対する許可や野生動植物の保護に関する業務を行う。県内では富士五湖自然保護官事務所に次いで2カ所目の開設。

 南アルプス国立公園をめぐっては近年、シカによる高山植物への食害が深刻化。県が被害の実態調査に乗り出したほか、環境省も今月、仙丈ケ岳(3,033メートル)でニホンジカの食害を防ぐための防護柵を設置したばかりだ。

 このほか「絶滅危惧(きぐ)種」となっている高山植物のキタダケソウやライチョウの生息域の減少も問題として浮上。山梨、静岡、長野の関係10市町村でつくる南アルプス世界自然遺産登録推進協議会は7月、南アルプスの自然環境保全に向け、環境省などに自然保護官事務所の設置などを求めていた。

 環境省関東地方環境事務所は「南アルプス国立公園では、開発行為の許認可事務がほかの国立公園に比べ少なかったため併任で対応が可能だったが、保護管理を充実させる必要があると判断し、設置を決めた」としている。

 同事務所は10月1日に開所式を行い、看板掛けなどのセレモニーを行う予定。長野県の伊那市長谷総合支所内と静岡県の静岡市静岡庁舎に出先の事務室を開設。南アルプス市の事務所の自然保護官が定期的に巡回する。

(2008年9月27日付 山梨日日新聞)