更新日:2007年11月02日
藍綬褒章 南アルプス市・塩沢久仙さん
自然公園の保護活動29年

 1978年から29年間、環境省の自然公園指導員を務めている。南アルプス国立公園内にある山小屋の管理人の仕事をしながら取り組む自然保護活動が受章に結び付いた。「自分の生活の場として南アルプスの自然を大切にしたい。そんな気持ちでこつこつしてきたことが評価されたのではないか」と喜ぶ。

 旧櫛形町(南アルプス市)に生まれ、中学生のころから登山の魅力にとりつかれた。23歳で夜叉神峠小屋の管理人となり、1985年からは南アルプス登山の玄関口・広河原山荘の管理人を務めている。

 自然公園指導員として、キタダケソウなど希少な高山植物を盗掘から守る活動を展開。地形や地質、生息する動植物などさまざまな分野の知識を体験を通じて蓄え、登山者に広く伝えながら環境保全の重要性を訴え続けている。

 1996年には仲間と大樺沢で水質調査をし、大腸菌で汚染した沢の現状を報告。「山岳トイレ整備につながった思い出深い活動の一つ」と振り返る。鳳凰山固有のホウオウシャジンが大量に盗掘され、山小屋関係者や警察と連携、摘発に結び付けたこともあった。

 「自然保護活動の成果は何十年、何百年という長いスパンでしか確認できない。だからこそ地道な取り組みが必要なんです」。南アルプスの美しい姿を次の世代に残したい。その熱意が日々の活動の糧となっている。(南アルプス市芦安安通 65歳)

【写真】自然保護活動を続ける南アルプスへの思いを語る塩沢久仙さん=南アルプス芦安山岳館

(2007年11月2日付 山梨日日新聞)