更新日:2018年10月21日
登山届の努力義務化スタート
富士山、八ケ岳、南アルプス
「初めて知った」次々

 富士山や八ケ岳、南アルプスの3区域で20日、登山者の氏名や緊急連絡先、登山行程などを記入した登山計画書(登山届)の提出が努力義務となった。初日は提出した登山者を含め、「条例を初めて知った」との声が大半。遭難時に捜索活動の手掛かりにするなど安全確保につなげるための取り組みで、冬山シーズンを控え、関係者は周知に力を入れる。

 南アルプス市芦安芦倉の南アルプス市営芦安駐車場には、同日午前5時ごろから北岳などに向かう登山者が続々と到着した。多くの登山者は場内の山岳観光案内所に設置された指定ポストに、持参した登山届を提出した。

 ただ、提出の努力義務化は知らない人がほとんど。登山届を提出した千葉県の会社員女性(37)は「遭難したら多くの人に迷惑を掛けることになる。ほとんどの人は知らないと思うので、登山届の大切さを知らせることが必要」と話した。

 仲間と仙丈ケ岳を目指す東京都の会社員男性(58)も条例化について「到着して初めて知った」と驚いた様子。「登山届は遭難時に重要な手掛かりになる。登山時は必ず提出するようにしている」と語った。

 県観光資源課によると、昨年10月に登山の安全確保に関する県条例を施行。20日から富士山や北岳など主要な山がある3区域に入る人に対し、従来は任意だった登山届の提出を「努力義務」とした。遭難時に捜索の資料にする。

 各登山口の指定ポストに書類を出すほか、ウェブサイトからの提出も可能。県は努力義務化を伝えるチラシを作り、観光案内所に置くなどしている。

 同案内所案内員で県山岳連盟の望月泰孝さん(68)は「条例を知らない人は多く、県外からの登山者にも知ってもらう工夫が必要だ」と話した。

 【写真】登山届を指定ポストに提出する登山者=南アルプス市芦安芦倉

 (山梨日日新聞 2018年10月21日付)