更新日:2018年10月20日
登山届きょうから努力義務
富士山、八ケ岳、南アルプス系
県「遭難者の迅速救助に」
 富士山や八ケ岳、南アルプスの3区域を対象に、登山計画書(登山届)提出が20日から努力義務となる。遭難事故の続発を背景に登山者の安全確保につなげるのが目的で、昨年10月に制定した県条例に基づく対応。県は登山届について「遭難時の救助を円滑にし、また登山者が事前にリスクを確認する機会にもなる」と話している。

 県観光資源課によると、登山の安全確保に関する県条例は、「安全登山推進区域」として富士山、八ケ岳、南アルプスの3区域を指定。富士山のほか赤岳や甲斐駒ケ岳など主な山を含む3区域に立ち入る人に対し、従来は「任意」だった登山届の提出を「努力義務」とすることを明記した。

 登山届は各登山口にあるポストに出すほか、全国の県警や自治体と連携したウェブサイト「山と自然ネットワークコンパス」を通して、また県に電子メールでも送ることができる。

 県は努力義務化を前に登山届の提出ポストを増設。東京都内で行われた登山用品のイベントで提出を呼び掛けるチラシを配布するなど周知活動をした。

 今後、県は3区域のうち登山に伴う危険性が高いエリアを「重点区域」に指定し、3区域で来年の厳冬期(12〜3月)に登山する場合は登山届の提出を義務付ける。

 県警によると、今年上半期に起きた山岳遭難事故39件のうち、登山届が出ていたのはわずか2件。高齢者を中心にした遭難事故が後を絶たず、その多くが未提出なのが実態だ。県担当者は「遭難した場合、捜索範囲を早期に絞ることができる。忘れずに提出してほしい」と話している。



【ズーム】登山計画書(登山届)
 登山者の氏名や住所、連絡先、計画内容などを書き入れ、事前に都道府県や警察などに提出する書類。入下山の予定日やルート、食料の量、装備品も明記する。遭難時に迅速な捜索、救助に役立てるのが目的。

 (山梨日日新聞 2018年10月20日付)