更新日:2018年09月22日
山岳遭難者、最多ペース 県内
好天で登山者増/体力、技術を過信
65歳以上、4割占める

 山梨県内の山岳遭難者数が過去最多ペースで推移している。登山ブームに加え、天候に恵まれて登山者数が増えたのが背景。北岳など南アルプス山系での遭難件数が最も多く、65歳以上の遭難者が約4割を占める。体力や技術を過信して、十分な装備がないまま身の丈に合わない山に登り、遭難する傾向が浮かぶ。紅葉シーズンを控え、県警の担当者は「自分のレベルに合った登山をしてほしい」と呼び掛けている。

 県警地域課によると、8月末現在の県内の山岳遭難者数は118人で、1965年の統計開始以降最多となった昨年の同時期を11人(10.3%)上回っている。遭難件数は94件で昨年同時期と比べて8件減、死者数は15人(同3人減)だった。登りで無理をして、下山中に遭難するケースが目立ち、「猛暑で例年よりも疲れやすかったことも影響した可能性がある」(同課)という。

 遭難件数を山系別に見ると、最も多かったのは南アルプスの38件で、40.4%を占めた。秩父が20件、大菩薩・道志が14件で続く。御坂は13件、富士山は6件、八ケ岳は3件だった。死者数は南アルプス8人、秩父5人、富士山2人となっている。

 年代別の遭難者は70代が27人で最多。次いで60代が26人、50代が24人、40代が19人で、中年以上の遭難者が目立つ。65歳以上の高齢者は43人(36.4%)となっている。

 原因は滑落が25件で最も多く、道迷いも20件に上った。同課の担当者は「体力不足やヘッドライトの不携帯など準備不足が原因の救助要請も目立つ」と指摘。日帰りを想定してヘッドライトを用意しない遭難者もいたといい、「自分のレベルを過信した無謀な登山計画や、装備不足は遭難に直結する」と続けた。

 秋山シーズンの本格化を前に、県警は対策を強化する構えだ。街頭指導所の設置や県警ホームページや短文投稿サイト「ツイッター」で登山計画書の提出などを呼び掛けている。昨年は9〜11月の山岳遭難が約3割に上っており、担当者は「秋は日没が早く、視界も悪くなりやすい。気温も低くなるため、防寒具やヘッドライトなどの準備を徹底してほしい」と話した。

 (山梨日日新聞 2018年9月22日付)