更新日:2018年09月21日
山岳遭難対応へ県境越え
南ア署、伊那署が山小屋でサミット
署長ら合同訓練を協議

 県境を越えて警察がタッグ−。南アルプス署と長野県警伊那署は20日、「山岳遭難防止サミット」を開いた。登山人気の高まりを背景に山岳遭難が相次ぐ中、隣接する両署がスムーズに対応しようと初めて企画。両署長らが県境付近の山小屋に集まり、合同での救助訓練を提案するなど連携策を話し合った。

 国内2位の高さを誇る北岳などがあり、登山者が多く訪れる南アルプス。両署の管内は仙丈ケ岳周辺などで接していて、県境を越えて登山者が行き来するケースが少なくない。

 一方で、近年の登山ブームで遭難件数は増加。山梨県内では2017年に161件発生し、過去最多を記録した。このうち南アルプス署管内は34件で、県内12署の中で最も多かった。伊那署によると、長野県内でも同様に増加傾向にあるという。

 両署はこれまでにも遭難者の情報をやりとりするなどしてきたが、相次ぐ遭難事故に迅速に対応するためにサミット開催を決めた。同日は県境に位置する北沢峠のこもれび山荘(長野県伊那市)で開催。南アルプス署の西山雄三署長、伊那署の駒村公孝署長のほか、救助活動を担っている両署の署員が出席した。

 サミットではそれぞれの救助体制や訓練内容の報告があり、人材育成などの課題が話し合われた。両署合同での訓練、啓発活動の提案もあった。西山署長は「登山者に県境は関係ない。協力関係を築き、安全安心な登山につなげていきたい」、駒村署長は「(サミットで)お互いに顔が分かれば連携も深まる。継続していきたい」と話した。

 【写真】両署長らが集まり、山岳遭難防止に向けた連携強化策を話し合ったサミット=長野県伊那市のこもれび山荘

 (山梨日日新聞 2018年9月21日付)