更新日:2018年04月17日
南アルプスのチョウ、希少種に
タカネキマダラセセリ 採取や売買禁止
 国内で南アルプスの赤石山脈周辺にのみ生息するチョウのタカネキマダラセセリ赤石山脈亜種が、国内希少野生動植物種に指定された。指定により、同種は法律で採取や売買などが禁止される。近年は目撃情報が激減しており、専門家からは保護の強化を求める声が出ている。

 チョウ類を研究する県富士山科学研究所の北原正彦専門員によると、タカネキマダラセセリ赤石山脈亜種は体長3センチほど。国内では標高2千メートル前後の南アルプスと北アルプスに生息し、南アルプスの個体は模様などの違いから、南アルプスの固有亜種として分類されている。

 1年で成虫になる一般的なチョウと比べ、卵から成虫になるまで3年かかり、同様の特徴を持つチョウは本州では同種を含め3種しかないという。山梨県内の北岳や仙丈ケ岳の一部エリアが同種の主要生息地だが、個体数が減って絶滅の危機にあり、環境省のレッドデータブックでも、最も絶滅の恐れが高いとされる「絶滅危惧1A類」とされている。国内希少野生動植物種への指定は2月に決まった。

 北原専門員によると、2010年以降は目撃情報が激減した。同種が好んで蜜を吸う高山植物がシカの食害に遭っていることや、コレクターによる採取が後を絶たないことが要因とみられる。

 北原専門員は対策として、「タカネキマダラセセリ赤石山脈亜種が好む高山植物を守るため、生息地の一部をネットで囲んでシカの侵入を防いだり、密猟を取り締まるパトロールを強化したりする取り組みが求められる」と指摘。今夏に生息地で調査を実施する予定といい、「生息地の中心は山梨県内なので、主体的に保全に取り組む必要がある」としている。

 (2018年4月17日付 山梨日日新聞)