更新日:2017年12月14日
ライチョウ天敵捕獲 効果
北岳周辺 ひなの生存率高く

 北岳周辺に生息する国の特別天然記念物「ニホンライチョウ」の保護のため、環境省が天敵とされるテンを捕獲したところ、捕獲した場所周辺では他の場所に比べ、ライチョウのひなの生存率が高かったことが分かった。同省は「一定の効果があった」と分析。来年も年間10頭のテンの捕獲を行い、ライチョウの保護と繁殖につなげる。

 環境省長野自然環境事務所によると、北岳山荘と北岳肩ノ小屋周辺で5月下旬から10月下旬にかけて、テン8頭を捕獲した。テンは約30年前から増え、現在の正確な生息数は分かっていない。本来は里山にいたが、登山者が落とす食べ物を求めて高山に上がり、ライチョウの生息域に住み着くようになったという。

 同事務所は2015年から、生後間もないライチョウのひなを約3週間にわたりケージ内で保護する活動を展開している。しかし保護後に放鳥したひなの生存率は低く、昨年確認できたのは15羽のうち2羽のみだった。放鳥後にテンなどに捕食された可能性が高いため、17年から試験的に捕獲に乗り出した。

 今年保護したひなは16羽。8月上旬に放鳥し、9月30日に再度調査したところ15羽の生存を確認した。テンは保護したひなの周辺地域で捕獲されており、同事務所は「周辺の捕食者が減ったことで、放鳥後もひなが生き延びることができている」とみている。

 一方、同じ北岳でテンの捕獲場所から離れた場所で確認されたひなは20匹。ただ、その後の調査で生存が確認されたのは3匹のみだった。大幅に減少していることから、テンに捕食されている可能性があるという。

 同事務所の担当者は「捕獲の効果はあったと考えるが、捕獲をしなかった場所ではいまだにひなの生存率が低い。安定して生き残れるように捕獲作業を続け、ライチョウの繁殖を促したい」と話している。

 【写真】生存が確認されたライチョウのひな=北岳(環境省長野自然環境事務所提供)

 (2017年12月14日付 山梨日日新聞)