更新日:2017年08月01日
アヤメ1万株に復活 南ア・櫛形山
食害対策10年 防護ネット奏功

 南アルプス市が2007年から続けている、櫛形山のアヤメをシカなどの食害から守る取り組みが10年を迎えた。設置した防護ネットが効果を発揮し、取り組み前は「数える程度」(市みどり自然課)だった開花が、今年は特定の観測ポイントだけで約1万株に増えた。同課の担当者は「今後は、復活した美しいアヤメを登山者に見てもらう施策を検討したい」と話している。

 同課によると、櫛形山は1990年代から2000年代初頭にかけてアヤメの群生地として知られていた。狩猟規制などにより増えたシカやイノシシによる食害で、アヤメの株数が激減。07年ごろには数株しか開花を確認できない状況になった。

 市は07年に、群生地にナイロンやステンレス製の高さ2.1メートルの防護ネットを設置。櫛形山のアヤメ平(標高約1900メートル)と裸山(同約2千メートル)で、約8万平方メートルの区域を囲んだ。

 裸山で10年に設置した60メートル四方の観測ポイントでは、14年に250株、15年に500株、16年に1500株と開花数が増加。今年7月の目視調査では、約1万株の開花を確認した。市は「ネットの効果が表れた」としていて、今後も取り組みを続ける方針。

 株数が回復した一方で、登山者からは「ネットがあり眺望が良くない」「直接アヤメを見たい」などの声がある。市は今後、登山者がアヤメと眺望を楽しめるよう改善することも視野に入れる。

 同課の担当者は「一時はなくなったアヤメが咲き誇る様子を見て感動した。訪れた多くの人に見てもらうことも目標の一つ。検討課題としたい」と話している。

 (山梨日日新聞 2017年8月1日付)