更新日:2014年01月01日
登山客のマナーが向上
南アルプス芦安山岳館・塩沢久仙館長

 北岳や甲斐駒ケ岳などの名峰を抱え、多くの登山者が訪れる南アルプス国立公園。公園指定当初から山小屋の管理人を務め、南アルプスと半世紀を過ごしてきた塩沢久仙さん(71)に国立公園の50年を振り返ってもらった。

 −50年で南アルプスは変わったか。

 「山にとってみれば50年は短い年月で、山自体は何一つ変わっていない。しかし、登山事情が変わるにつれ、山を訪れる人のマナーや周囲の動物は大きく変化した」

 −どのように変わったのか。

 「昭和40年代は山野草や野生ランがブームとなり、植木にするための盗掘が相次いだ。しかし、昭和60年代以降は、登山客のマナーも向上し、今はほとんどの登山客が山を汚さないように気を付けている。ただ、近年はシカが高山帯に入り、自然環境を荒らしている」

 −シカの問題が深刻化しているが。

 「登山者のマナーは注意すれば改善でき、啓発活動も麓で行うことができた。しかし、シカは注意できない上に、植物を守る活動も高山帯で行わなければならない難しさがある。早急な解決策が求められる」

 −今後の課題は。

 「自然を守ることはもちろん、都会的な生活に慣れた子どもたちを中心に自然の素晴らしさを伝えていく必要がある。山は自然科学の宝庫で楽しい場所であることを多くの人に伝えたい」

 【写真】しおざわ・ひさのりさん 南アルプス芦安山岳館長。夜叉神峠小屋や広河原山荘の管理人を務めた。

 (山梨日日新聞 2014年1月1日付)