甲斐犬

甲斐犬
 ほ乳類食肉目イヌ科。山梨県特有の日本犬の一種。国指定天然記念物。

 交通不便な山間辺地の山村で少数飼育され、存在が知られなかったが、1924(大正13)年、小林承吉(元甲府動物園長、獣医師)が発見、調査研究し1930(昭和5)年「甲斐日本犬」と命名発表し、1934(昭和9)年1月22日、国の天然記念物に指定された。

 体型は体高39.5〜45.5センチ、体高と体長は同じくらい(雌の体長はやや長い)で体重は10〜15キロ前後。目はブドウ色で、口はやや長く、耳は長くて立っている。尾は差尾または巻尾だが、巻尾の犬も疾走時に差尾と同様の形になるのが甲斐犬の特徴。毛色は全身が虎毛色一色。これが一大特徴だが、虎毛色は黒色と茶褐色の剛毛のまじりあった虎斑模様で、黒虎毛、中虎毛、赤虎毛の3種類がある。四肢は強健で後足の飛節が特に発達し跳躍力、疾走力が優れ、性質は沈着で鋭敏、勇猛で一代一主の主人に忠実な犬である。番犬・狩猟犬として適している。

 発見当時カモシカの猟に使用された「鹿犬型」と、イノシシの猟に使用された「猪犬型」の2つの体型があったが、体型に欠点のあった「猪犬型」犬は第二次世界大戦中に絶滅し、現存は優秀な体型の「鹿犬型」犬のみ。発見時の分布は約30頭くらいが白峰三山山ろくの芦安村(現南アルプス市)、西山村(現早川町)に「鹿犬型」が、わずかな数の「猪犬型」が宮本村(現甲府市黒平町)、西保村(現山梨市牧丘町)、九一色村(現身延町古関)で飼育され、平林村(現富士川町)には「鹿犬型」と「猪犬型」の犬が少数飼育されていた。
南アルプス市芦安を代表とする山梨県特有の日本犬の一種