農鳥岳の農鳥

農鳥岳の農鳥

 農鳥岳(三角点峰)東面に現れる。周りが先に解けてできる「残雪型」で、白いハクチョウが南に首を伸ばして羽ばたくように見える。

 間ノ岳と農鳥岳の「農鳥」は、近代登山が始まって間もなくの明治時代後期、山名論争に一石を投じた。白峰三山について「甲斐国志」は「北を白峯、中を間ノ岳または中ノ岳あるいは農鳥岳、南を別当代(べっとうしろ)」とし、中を農鳥岳と呼ぶ根拠に農鳥が現れ、農耕の目安としていることを挙げている。しかし研究者が別当代に農鳥が現れることを確認したため、別当代が農鳥岳であるとし、これが普及、定着していった。

 2つの農鳥が現れるのは6月の上、中旬で雨の多い季節。下界からはなかなか見ることができない。残雪の量によっても姿の出来具合が左右される。一緒に確認されるか、たまたま間ノ岳に先に確認されれば、中が農鳥岳、南が別当代となったかもしれない。

 【写真】農鳥岳(左円内)と間ノ岳(右円内)にそれぞれ現れた農鳥=山日YBSヘリ「ニュースカイ」(NEWSKY)から